行政

これまで行政訴訟や第三セクターの再生ないし破たん処理に携わる経験を多くさせていただきました。また、地域に根差す法律事務所として、地域の発展には地方自治体法務の充実も欠かせないと考えています。
しかし、地方自治体には、民間とは異なる組織としての傾向があると感じています。

ひとつは増分主義。いわゆる「インクリメンタリズム」による保守的体質です。既存の政策には相当額の投資がなされており、かつ、それに携わった判断権者が庁内にいることから、そもそも既存政策の修正や中断は相当困難であると過剰に認識していることが多いことです。そのために、既存路線の正当性が方向性として容認されやすく、むしろ既存路線の継続以外には道がないと考え、当該事業の抜本的な見直しは検討できず、既存の予算や計画等を基底路線としてその事業や政策を継承していく傾向があります。法による行政の意識が過剰に反応し、地方公務員の体質として、従前の例あるいは内規にしたがっているのが良い公務員であり、現状把握を超えて、現在発生している事態を客観的に認識し、現在あるべき姿を意識しながら前例をも修正していくことを辞さない対応をすることは公務員としてあまり評価されるものではないという固定観念がみられるのです。
また、良い意味でのお上主義もあります。組織としては、地方行政における最終責任者であることの意識が高く、近時の行政の「民間化」のなかで、民間事業者と対等な契約関係が構築された場合においても、当該民間化事業において問題が発生したときのリスク分担において、最終的にみずからの負担で住民を守ることの責任があると強く意識されていることから、結果的に民間事業者との関係では対等なパートナー関係が築けず、かえって当該事業者の責任を問うたりする場面では、相手が大きな組織であろうとも他に責任を転嫁することを潔しとしない体質が存在します。

当事務所では、よい意味でまじめに活動されている地方自治体の職員の方々が、法務的にも正しい地方行政事務を実行いただくために、民間企業の顧問等業務で得た経験と知識、金融、労務、コンプライアンスの各面での知見をもとに、新しい行政法務を提案させていただいております。

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