ニュースレターVol.9 立って話す(中馬康貴)
立って話す
昨年の12月に弁護士としての活動を始めてから早や半年が経過しました。訴訟の口頭弁論で法廷へ行くことも増えてきましたが、その際の所作について感じたことについてお話しさせていただきます。
法廷で弁護士が発言をする際、弁護士はどのように振る舞うイメージをお持ちでしょうか?私はこれまで弁護士が発言をする際には、その場で立ち上がって話すイメージを持ってはいましたが、その意味については深く考えたことはなく、「そういうものなのだろう」という程度でしか考えていませんでした。
しかし、弁護士になって数週間が経ったころ、当事務所石橋伸子弁護士から「法廷において、裁判官が入廷する際には礼をし、きちんと立って話すことは、法廷という場に対して敬意を示すことを意味する。そして、その場で立ち上がって話すことによって、裁判官との信頼関係の構築につながっていくんだよ。」との言葉をいただきました。
それまでの何となくを反省し、早速法廷において立って話してみると、一段高い位置にいる裁判官や相手方当事者の目をしっかりと見ることができて話しやすくなり、また、法廷全体に自分の声が通りやすくなったように感じました。そのことが原因かどうかは分かりませんが、座ったまま話すよりも、立って話した方が、裁判官もよりこちらの話を真剣に聞いてくれるように感じたのです。
一見すると当たり前のことではありますが、法廷に行くと、全ての弁護士が立ち上がり、裁判官の目を見て話すわけではありません。座ったまま、あるいは立ち上がったとしても視線を落としたままで話す弁護士も多く存在するのが実情です。
私は、この心構えを肝に銘じ、しっかりと、正々堂々と振る舞っていきたいと思います。